東京ってどんな所?①「本物に出会う」機会の重要性

将来の選択肢を考える機会や出会いを… キャリア

こんにちは、サンプルりか子です。

今回のシリーズはアラサーで上京した私の東京の印象についてのお話です。
はじめに注意として申し上げておくと、東京がいいとか地方がだめだとか
そういうことを言いたいのではありません。
私の中で東京とは?を語るには、東京について単独では語れないほど
色んな思いが絡み合っているのです。


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上京前までは、東京へは展覧会めぐりなどで1年に1,2回
1~2泊するくらいでした。
「東京は住む場所」という認識が全くありませんでした。
同じ日本国内でも、私には関係性がなく全く別の時間が流れ、
全く価値観の違う人達が住んでいる異郷の地でした。

私の生まれ育ちは関西で、親からは大学も関西からでるなと言われていました。
私自身もそれには異論はありませんでした。
高2まで就職するつもりでしたし、
いきたい大学も特になかったのです。
(担任に進学を進められ見学に行った1校に決めました)

東京はというと、物理的にも精神的にも遠い場所でした。

世界的な大都市で、政治も経済も学問、芸術、カルチャー、ファッション、人、
あらゆるものが東京に集い、行われ、最先端を行き、(ときに東京で完結し)
あらゆるものに触れられるし手に入る、
東京とは、そういう知識の中の場所でした。

ずっと地方、しかも田舎育ちの私は、
何かが、例えば私が興味を持ちそうなまだ見ぬなにかが「ある」ことすら知らずに育ち、
大人になり、それでも自身の「辞書」に載らないままの情報が東京にはたくさんあります。
もちろん、東京以外には東京では得られないような体験や情報もあります。
ですが、現代は情報化社会です。
それひとつとっても(大きいですが)その点ではやはり地方は「遅れて」います。
(日本自体がどうのというのは置いておいて)
※また、「遅れて」いるから良い悪いということを言及したいわけではありません。
 情報に対して「遅れて」いるというのは私の経験や知識からの所感です。

また、小さい頃の刺激って、
おとなになっても印象深く覚えていることってありますよね。
その刺激や体験、情報ってその人の選択肢に影響すると思います。

私は地方でいわゆる「地域活性」の仕事をしていた割合が長いのですが、
その時自身の小さい頃や環境を思い出しながら、
今目の前の地域の子どもたちと接しながら、
そして地域で育っておとなになったであろう同僚や上司、後輩を見ながら
「地方」「地域」についてずっと考えていました。

情報が無いことは、これからの子どもたちの選択肢を狭めてしまうなと感じました。
その選択肢の中から選んだり選ばなかったりしていいのです。
大事なのはそこから自分で考える・自分で選ぶ機会・可能性があるかないか、だと思っています。

もちろん情報という名の選択肢が広がっていたとしても、
家庭環境や地域性、その子をとりまくあらゆる環境によって
可能性が広がったり狭まったり左右されます。

それでも。

例えばもし地域で農業に従事するという選択をし、
それが自分の中で適していると感じていたとしても、
農業だけを知っていればそれでいいという社会ではありません。
色んな情報があった上で農業を選ぶのであれば
相対的にものごとを考えることができます。

何を選んでも良いのですが、(1回で選ぶのが正解じゃないですし、)
自分で考え・自分で選ぶという機会を得、
その可能性は大事にしたいというのが私の考えです。

その結果何が大事かというと、
できるだけ「本物に触れる」という感情が伴う体験をすることだと思っています。
大人になっても。
小さい頃は特に。
(小さい頃は行動範囲も狭められるので)

「本物ってなんだよ」って話ですが、
例えば私の例でいうとこんなことがありました。

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大学の頃、20歳の私は大学のデザイン研修に参加し、
イタリアに2週間行きました。

最初の1周間はミラノの大学に通って実習。
その合間に希望者はレオナルド・ダ・ビンチの
「最後の晩餐」を見に行くことになっていました。

「最後の晩餐」はみなさんも教科書や雑誌、テレビなんかで一度はみたことはある
有名な絵画です。
私は徳島県の大塚美術館で実物大の陶板を2回は見たことがあり、
(詳しくはリンクを御覧いただきたいですが、
システィーナ礼拝堂がそのまま再現された展示空間は
米津玄師さんが紅白でのパフォーマンス会場として起用され話題になっていました)

「ああ、あれね、あれをみるのね」

くらいだったのです。
大きさもわかってるし(大きい)本当はどこで描かれた(馬小屋)とか、
描かれている人物やシーン、技法(テンペラ)も知ってる。
せっかくだし見ておこうくらいな気持ちだったのです。

絵が展示されている(実際に描かれている)
サンタ・マリア・デッレ・​グラツィエ教会に行きました。
見学は予約制で、見学時間も15分と決められています。

入って、右を向いて絵に対峙した瞬間、
私は言葉を失いました。
何の言葉も見当たらない。
最初から何も持ち合わせていないかのように、出てこない。
効果音をつけるとしたら「ポカーン」です。
圧倒されて、絵を前にして身動きできなくなってしまったのです。
一体何分たったかわからないのですが、
しばらくして動けるようになって絵画に背を向け、
心を落ち着けました。

どうだった?と聞かれたら、
「すごかった」としか言えないですね。
本物の迫力はこれほどなのかと見せつけられました。
観覧者は絵画、絵をみているつもりでも、
空間、絵の具の匂い、作者のタッチ、エネルギーを同時に感じているのです。
私達は目で見ることだけ、言葉にできることだけを知覚しているわけではないのです。

もう10年くらい前になりますが、
今でもあの戦慄した感覚が思い出されます。
私は間違いなく私の思う名画に出会ったんだなと思います。
つまり、私の本物に出会った体験でした。

この私の例はすごくハッキリわかるものなのですが、
後々にその出会いの影響がにじみ出てくることもありますし、
先の出会いのためのさりげない布石としての本物との出会いもあります。

もう一つ私の例を。

私が生まれ育った地域は、ドラマが週回遅れで放送されたり、
最悪放送されない番組も多いし、
(雑誌で知って見たいと思っても映らない…)
マクドナルドも映画館も大型ショッピングセンターも当時車で1時間、
近所は信号なし、スーパーもなし、美術館や博物館なし、学校は複式学級、
もちろん1クラスずつで保育園から中学までクラス替えなし、
そんな感じの場所でした。

私の場合、運が良かったのです。
私は物心つく前から絵を描いたりものづくりが好きだったのですが、
通える距離に元デザイナーで工芸をしている方が移住されていたのです。
母がその方に頼んで、私は個人の画塾を受けられることに。
高1のとき、私は先生に石膏デッサンや油絵を教えてもらいました。
私の地元では石膏デッサンを見ることも油絵の展示などもありませんでした。
(知らなかっただけかも知れませんが、あったとしても情報が埋もれていた)

つまり私は、ピンポイントですが機会損失を免れたのです。

体育会の割と熱心な部活も毎日夜遅くまでしていたのですが、
週1回先生の元、画塾に通っていました。
私にとって絵を描くこと、何かを作ることは趣味の域を超え、
というか何の言葉も当てはめるつもりはないのですが、
当時の全てだったのです。
寝ても覚めても絵を描いてたってやつです。

いま思うと高校の美術部に入ったとしても
(何故か入ろうと思わなかった。基本みんなで教わるってのが苦手かも)
石膏デッサンをしたり、静物・人物を油絵で描いたり、
ハンダゴテでプレートをデザインしたり、顔彩で絵手紙を描いたり、
カッターの使い方や鉛筆の削り方を教わったり、
作家の人生をモデルにしたDVDを見たり、参考書籍を紹介してもらったり、
こんな経験できなかったと思います。

休みの日は県外、遠くは名古屋の美術館に連れて行ってもらい、
本物のモネの絵画を見ました。
番外で大阪で串カツも食べさせていただきました。

私の地元の友だちで高校生でこういう経験した子って殆どいないのではないでしょうか。
高校で知り合った子で毎週特急電車で片道3時間の県外に習い事に通っている子はいましたが。

東京で知り合って仲良くなった人と、よく昔話をしていました。
大都会が彼の故郷なのです。
なんとも不思議な感じです。
「中学の帰りにゲーセンで…」と言われると、
その時点で「ゲーセンが通学路にあったんか…」という反応をしてしまいます。

あどけないあんな中防または小学生の時分に、
帰りコンビニに寄ったり、マクドでお友達とおしゃべりしたり、
プリクラ撮ったり、カラオケ行ったり、渋谷で買い物したり、
映画館行ったりできている人達がいる。
田舎の私達が時間差で出会うだろうものが
生まれた時点ですぐ手の届く所に「ある」。

「ある」人、「ない」人、
そりゃ育ち方や価値観は変わるよなぁと実感しました。
(551のCMではない)

新しく誰かと仲良くなるとたまに妄想するのが、
「私がこの人と同じクラスだったらどんな関係性でどんなことをしているか」
というお題なのですが、

もし私が都会育ちで色んなことに出会い触れる機会に囲まれていたら。
一体どんな人、もの、ことに出会い、
今どんな風になっていただろう。

知人の話を聞きながら、そんなことを考えました。


今回は2つのカテゴリーをまたいでいます。


では、また。




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